野菜作り応援ブログ!

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誰でもできる!化成肥料を使った施肥設計の仕方!の巻

今日は、化成肥料を使った施肥設計の仕方、を説明しようと思います。

まず前提として、世の中の物質には、「有機物」「無機物」があります。で、植物は「無機物」しか栄養として土壌から吸収することは出来ません。

「無機物」ってなんぞ?って思いますよね、以下のサイトから簡単にわかる図を引っ張ってきたのでまず見てください。↓

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物質のハテナ | 佐々木化学薬品株式会社

例えば、畑に落ちた動物の糞は「有機物」です、それを昆虫や微生物が分解していって(無機化と言います)最終的に「無機物」になるわけです。

で、無機物とは=元素のことで、この元素が合わさったものを「無機化合物」と言います。

そして、作物の生育にとって必要な元素を「必須元素」といい、その必要量に応じて「多量元素」「微量元素」に大別しています。

多量元素は「炭素、酸素、水素、窒素、カリウム、カルシウム、硫黄、マグネシウム、リン」微量要素は「鉄、塩素、亜鉛、銅、ホウ素」になります。

施肥設計とは、これらの必須元素の量をそれぞれの作物に合った量に設計すること。ってことになるわけです。

特に作物に必要な「窒素、リン、カリ」の3つを三大要素といい、これに「マグネシウム、カルシウム」を合わせたものを五大要素といいます。

全ての元素の設計をするのは大変なので、今回は特に必要な三大要素の施肥設計をしたいと思います。

ちなみにそれぞれこんな特徴があります。

  • 窒素
主に植物を大きく生長させる作用がある。特に葉を大きくさせやすく、葉肥(はごえ)と言われる。過剰に与えると、植物体が徒長し、軟弱になるため病虫害に侵されやすくなる。
  • リン酸
主に開花結実に関係する。花肥(はなごえ)または実肥(みごえ)と言われる。可溶性リン酸とく溶性リン酸が植物に吸収される。
  • カリウム
カリ(加里)と略すことも多い。主に根の発育と細胞内の浸透圧調整に関係するため根肥(ねごえ)といわれる。水溶性のため流亡しやすいので、追肥で小出しに与えるのがよい。
  • カルシウム(石灰)
主に細胞壁を強くし、作物体の耐病性を強化する働きがある。農業・園芸分野では石灰(せっかい)ともいい、土壌のph調整などに用いられる。
  • マグネシウム(苦土)
葉緑素形成に不可欠な物質である。農業・園芸分野では苦土(くど)ともいう。

肥料 - Wikipedia

では、実際に施肥設計をしていきたいと思います!

http://www.pref.shiga.lg.jp/yokaichi-pbo/nogyo/koyomi/files/sehi.pdf

↑これは僕が参考にしている作物ごとに必要な「窒素、リン、カリ」の量をまとめたもので、上のリンクから見ることが出来ます。どこかの県庁の農林部で作られたものだと思いますが、結構わかりやすいので気に入って使っています。

この表の中で「基肥」「追肥」がありますが、今回計算するのは「基肥」になります。

例えば大根・初夏どりなら10a(1000㎡)あたり「窒素12kgリン12kgカリ12kg」が必要ってことです。

今回はこの中からブロッコリーの施肥設計をしていきたいと思います。

まず、作物は季節ごとに必要な施肥量が変わります。

暖かい季節の方が作物の生育もよく、土壌の微生物も活発で有機物はドンドン無機化されてゆくので施肥量は少なめ、逆に寒い冬は多めになります。

ここで注意しないといけないのは、土壌の中に、すでに微生物が分解して出来た「窒素、リン、カリ」が含まれているという点です。

これを無視して施肥すると「窒素過剰」になって作物にエグ味が出たり、アブラムシなど害虫が大量に発生する要因にもなります。

なので、施肥設計する場合、上記の量から土壌に含まれている「窒素、リン、カリ」を引かないといけないのですが、そうなると今度は「土壌分析」が必要になってきます。

最近はホームセンターなどで「土壌分析」もできますが、それも含めて施肥設計するのは計算も複雑になるしちょっとハードルが高い(しかも毎回土壌分析するのはお金もかかって大変)

なので、僕は上記の施肥量からだいたい2割程度引いた量を施肥するようにしています。

例えば5、6月どりのブロッコリーの「基肥」なら「窒素10、リン14、カリ10」ぐらいに減らして施肥設計しています。

基本的に肥料は少なめにして生育が思わしくない場合は「追肥」する、くらいの方が良いと思います。(特に果菜類などは生育初期に肥料分が多いとツルボケといって葉っぱばかり大きくなって、実がよく採れなくなったりします)

さて、ではホームセンターに行って化成肥料を買ってきましょう!

こんな数字が書かれた肥料が売られていると思いますが、これはこの20kgの肥料の中に「窒素、リン、カリ」がそれぞれ8%ずつ含まれているって意味です。このように複数の成分が一緒になっているものを「配合肥料」といいます。

%とか難しそうですが、ここは頭空っぽにして下記の計算式に当てはめればオッケーです。

(施肥量kg/10a)÷0.08(%)×(使用する面積㎡)×1000=(必要な化成肥料/kg)

例えば5、6月採りのブロッコリーを50㎡の菜園で作る、その場合の窒素を補うためには

10÷0.08×50÷1000=6.25

つまり上の化成肥料を50㎡の菜園に6.25kg施肥すれば良いってことになるんです。

8%の場合は0.08で計算しましたが、10%含まれている場合は0.1にして当てはめて下さい。

今回の場合「窒素、カリ」は同じ量を施肥すれば良いのですが、「リン」だけ少し多いですよね。 

その場合は足りない分を「単肥」で追加するって感じになります。

「単肥」とは一種類の成分に特化して作られた化成肥料で

窒素は「硫安or尿素」リンは「過リン酸石灰or熔性リン肥(ようりん)」カリは「硫酸カリ」などが有名です。

なので今回のブロッコリーの場合は足りないリンを「過リン酸石灰or熔性リン肥(ようりん)」のどちらかで追加すれば良いわけです。

どんな肥料も含まれている成分量は%で表示されているので、上記の計算式に当てはめれば大丈夫です。

ふぃ〜ちょっとわかりずらいところもあるかもしれませんが、僕はこんな感じで施肥設計をしています。ただ、いろんな施肥の方法があると思うのであくまで一例です。

有機栽培の場合はこのような化成肥料は使えないんですが、含まれている成分の%がわかれば「鶏糞、豚糞、牛糞堆肥」などにも応用ができます。

ってな感じで今回は化成肥料を使った施肥設計の方法を書いてみました。

何かの参考になれば幸いです!

ではまた