野菜作り応援ブログ!

農地も農機具も家ないゼロから新規就農で農業をしています!これから農業を始めてみたい方の参考になるような記事を書いていきます!

実録「新規就農研修物語〜始まりの大規模農業組合法人編」の巻

2011年10月、東日本大震災があった年、僕は前職のTVドラマの美術スタッフを辞め、千葉県香取市のアパートで初の農作業に向け、身支度を整えていました。

辞めたきっかけになった話↓ 

www.iihara-farm.com

きっかけは、たまたまネットで見かけた農業組合法人が新規就農者向けに「アグリスクール」を開校する、というのを見つけたことから始まります。 

その農業組合法人は100件もの農家からなる大規模農業組合法人で、年商50億、代表理事のKさんは「カンブリア宮殿」という日本のトップ経営者を紹介する番組に出演。日本の農業ビジネスの先端を突っ走る、バリバリの農業組合法人でした。

当時、ブロッコリーが花の蕾であることも知らなかった僕は、わけもわからないまま、とりあえずここへ行けば農業のことがわかるはずだっぺ!と、意気込んで入学の申し込みをしたわけです。

「アグリスクール」の期間は3ヶ月、30人ほど集まった生徒はグループ分けされ、それぞれ指定の農家で野菜づくりの研修をしながら経営に関する座学、堆肥工場などの施設の見学などする、というものでした。

まず驚いたのは、施設の多さ「事務所件集荷場」「堆肥工場」「冷凍工場」「野菜のカット工場」「温泉施設」「宿泊施設付きの貸し農園」「直営スーパー」「海外にバナナ農園」

代表理事Kさんの自宅は一階がガラス張りの美術館のよう、自家用車はポルシェ、自分と同い年くらいの農場長の車はクラウン…スクールの企画をしてくれた社員の方は、常に海外のバナナ農園と電話でやりとり。

「ブロッコリーはあれって花食べてるんですか?」そんな質問ぐらいしか思いつかない僕は、開いた口がふさがらず、ホゲホゲ言いながら見て回るしかありませんでした。

とは言え僕が知りたいのは野菜の作り方です、「あんまり経営のこととか知ったかして質問すんのやめよ」僕はそう誓い、いよいよ初の農家研修が始まりました。

3ヶ月間という短い研修期間の中、僕は「トマトの水耕栽培」「大葉のハウス栽培」「露地で野菜栽培」の3箇所の農家さんで研修を受けることになりました。

これは当時の写真です↓

そこには、家族を養っていくにはどうしたらいいのか?そう問い続けながら、長年積み重ねてきた農家の姿がありました。

いかに無駄がなく、確実に出荷につながるよう、ミスをしていないか、作物は順調に育っているか、それぞれが鋭い眼光で農作業に勤しんでいました。

もちろん研修生もボーっとしてなどいられません、できる作業から一つ一つ真剣に、農薬の使い方や、機械の動かし方など学びながら、必死に作業に取り組みました。

さらに、そこで驚いたのは外国人実習生の多さ、タイ、フィリピン、中国、モンゴル、多様な国からやってきた実習生が日本人の農場長の元、せっせと働く姿です。

国際貢献の名の下、彼らは高い渡航費を払いながら、出稼ぎで日本の農家にきているようでした。

全ての農家がそうだとは言いませんが、こうした外国人研修生のおかげで、僕たちの食卓に並ぶ野菜は作ることができているのかもな…そんなことも思いました。

農業は決して楽な仕事ではありません、その作業の割に儲かるか?と言えば口ごもることもあります。それでも僕たちはいつでも新鮮な野菜を食べることができています。

無農薬、有機栽培、自然栽培、それらを追求することも一つの選択肢ですが、多くの人々の口に運ばれるのはこうした代々農業を営んできた人たちのたゆまぬ努力の結果です。

若い頃、東京の大学に通っていた代表理事のKさんは実家が農家だと言うことを人に言うのが恥ずかしかったそうです。両親も農家ではなくサラリーマンとして働け、と言っていたそうです。

僕は研修を終えて、改めて代表理事のKさんの自宅を訪ねました。そこには辛くて儲からないと言われてきた農業で一旗あげてやる!そんな農家の意地が詰まった夢の豪邸が建っていました。

こうして僕は、新規就農への第一歩を踏み出したのです…次回は、

実録「新規就農研修物語〜旅立ちの有機農業編」をお送りします。(なんだこの言い方笑)

って感じの研修記でした、僕は無農薬で野菜を作ることも学びましたが、こうした農家さんの姿を知っているからこそ、無農薬が一番!なんて言う気がないんです。

減農薬など、農薬を減らしていこうという取り組みはされていると思いますが、それでも多くの農家さんでは農薬が使われています、当然僕たちが生きるため、安定して出荷するためです。

例えば、地球の人口は2055年には100億人になると言われています、その食料を全て有機農業でまかなえるかと言えば、僕は疑問です(もちろん専門家じゃないので正確なことは言えません)

何が良い悪いではなく、様々な農法が互いに認め合いながら、僕たちが飢えることがなく安心して暮らしていけるよう考えることが大切ではないでしょうか?

よくないのは「農薬を使うなんて悪!」みたいな一方的な正義感です。「無農薬なんて素人!」みたいな逆も然り(説教くさくてすいません)。

なーんてことを思った土曜日の夜でした、これから寝酒を買いにコンビニに行きます。

ではまた